Doll*
人形と騎士

学園

今日もアルカネット学園では、生徒達が裏庭で優雅にお茶をしていた。

そんな中、いつもの叫び声は聞こえる。

「時雨!紅茶を入れろ」

時雨と呼ばれた少年――天草時雨は、後ろを振り返り言い返す。

「なんで僕なんだ!自分でやればいいだろう。
第一、シェルリアの方が紅茶を入れるの得意じゃないか」

シェルリアと呼ばれた少女――ローズマリー・シェルリアは、時雨の言葉をものともせずあっさり言い返す。

「黙りたまえ、時雨。
私は君の能力を生かしているんだ」

いつものことながら、時雨は負けてしまう。
しぶしぶといった感じで、時雨は尋ねた。

「・・・なにが飲みたいの?」

「時雨が入れるならなんでもいい」

シェルリアはほぼ即答だった。
時雨は悩みはじめ、自分の世界に入り込んだ。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop