キセキ
「遥くん…朝ご飯は…?」
固まりかけた笑顔で俺に聞いてくるけど
その気を付かった態度すら気にくわない
だけどアンタがそうやって
作り笑いするならと、
俺も思いきり笑顔を作って
いつもと同じ答えを返すんだ
「朝は食欲ないんだ、ごめんなさい」
穏やかな顔
俺を割れ物みたいに扱うアンタ
大した気遣いも出来ないくせに
精一杯この空間を保とうとする親父
この家の全部が重くて息苦しくなるんだよ
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