空を見上げる
「なんで?俺のこと嫌いになった?」
俺はなぜ別れを切り出されたのかわからなかった。
なぜなら昨日も変わらず俺の横でいつもの優しい笑顔を見せてくれてたから。
俺は彼女の口が開くのを待った。
いや、むしろ彼女の口から『嘘』とこぼれるのを待っていたのかもしれない。
そのとき、彼女が口を開いた。
「嫌いになんかなってないよ。ただね?暁斗の好きとわたしの好きの大きさが違いすぎるの。今のわたしじゃまだ暁斗のすべてを受けとめることはできない。ホントにごめんなさい。」
葵は話してる間、ずっと下を向いていた。
俺は最後までまともに聞けなかった。
数秒間放心状態になったあと、急に苛立ち始める。
「好きの大きさが違う?意味わかんねぇ。俺たち今まで………もういい。帰るわ。じゃ。」
俺はその場の空気に耐えることができずに逃げ出してしまった。