亮平のおもちゃ


 放課後、居ないのはわかっていたけど、保健室へ行った。
初めて亮平とヤッたベッドに腰をおろした。
亮平は優しい。
俺があんまりヤりたくないの、わかってるんだ。だから俺のこと、襲わない。
だけど、俺はほかの奴に何度もヤられた。
俺はまた泣いた。
隣のベッドのカーテンに人影があるのに気がついたのは、その時だった。

「たっちゃん。ドコ行ってたの?心配したよぉ?ねぇ、」

「ひっ」

俺は恐怖でまた固まった。
カーテンからでてきた信濃美樹は、昨晩のような顔をしている。
逃げなきゃ…。そう思うのに、体が動かない。怖い。

「なんで泣いてるの?そんな可愛い顔して…、また、ヤられたいの?」

怖い。怖い!!

「うッ…。」

信濃美樹は、俺の唇に自分の肉厚な唇を押し付ける。
それどころか、俺の口を押し開け、舌を絡ませてくる。
気持ち悪い。吐き気がする。

「ん…。はっ…。可愛い♪」

「あっ…、あっ…。」

恐怖で金縛りにあったようだ。
ダサい。怖い。
信濃美樹が、俺を押し倒した。
体はまだ動かない…。だけど、逃げなきゃ。
ここは…、保健室は…、初めてヤった…、亮平が初めてヤってくれた、大事な場所だ。
そう思った瞬間、体に力がわいた。

ドンッ

俺は、信濃美樹を突き飛ばす。

「いった…。ひどーい。まぁいいや。」

俺は信濃美樹が恐い…。
恐い…。逃げなきゃ。
そう思って、背中を向けると、信濃美樹はこう言った。

「ねぇ、教師と生徒が…しかも同姓が、学校でヤったなんてバレたら、当然教師はクビだろーね?」

信濃美樹は、クスっと笑った。

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