亮平のおもちゃ

『何?お前なんなの?
やっぱ何かあったんだろ。
言えよ。イラつく。
襲うぞ、こら。
今日も保健室来なかったし、俺の事避けてるだろ。』

昨日から、俺の携帯には、亮平からこんなメールしか届かない。
別れを告げられないまま、俺が一方的に亮平を避けてるから…。
だって、言ったら、泣いちまいそうだ…。



 いつものように登校すると、昇降口で、信濃美樹が待ち伏せをしていた。

「あ。おはよう、達也!」

「お、おは…よう。」

付き合うとは言ったものの、恐怖が消えないし、吐き気が続いている。

「ねぇ~、達也?」

教室へ向かうまでの間、信濃美樹は甘えた声で言った。

「そろそろ、美樹のこと、名前で呼んでよぉ~。」

「イヤダ。」

俺は信濃美樹の小文字乱用な喋り方が大嫌いだ。

「ぷぅ~。じゃあ、良いですぅ~だ。」

そう言って、俺が開けた教室の扉から即々と入っていった。

「…レディファーストってわけね。」

俺はそうつぶやいて、教室に入った。

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