亮平のおもちゃ
「あれ~、相馬君だぁ。」
気がつくと俺は、家から遠いところへきていた。そこの近くに住んでるクラスの女子に、声をかけられた。…名前、なんだっけ?
「お、おう。何してんの?」
「相馬君こそ。お家、こっちじゃないでしょ?」
「あー。まぁ…。」
俺は女が苦手だ。どう接していいか分からない。
「さては、悩み事?美樹でよかったら聞くよ?」
あぁ、そうだ、信濃美樹。友達の順平が信濃さんが俺の事好きって言ってたとか、言ってたな…。
「恋愛?ね、恋愛とか友情でしょ?」
「え。」
勘が鋭い生き物だ、女って。
「美樹、知ってるんだよ?相馬君、順平に告られたんでしょ?」
「はぁ?順平?何言ってんの?」
「…あれ?違った。まっずぅ…。順平が、相馬君が好きだって、美樹に言ったの。だけど
美樹、ボーイズラブってありだと思うし、相馬君、顔かわいいから、背低いし、惚れちゃっても仕方ないよ。って言ったの。だから、てっきり…。」
俺は言葉が無かった。いつも笑いあいながら喋ってた順平が…、俺を好き…?
「…俺、順平に断るよ。」
「え。何で?やっぱり男だから?だったら、美樹は…?美樹、相馬君、好き。」
「ごめん。俺、恋人居るから。」
「そ…なんだ。」
「ごめんね。じゃ。」
俺は順平の家へ向かった。
順平の家は学校のからみえる位置にあるから、亮平に会っちゃうかもしれない。でも、順平とは、今までどおり、友達でいたいって、伝えたい。それに、同性愛者同士、相談したい。亮平の事…。