亮平のおもちゃ

 あれから3週間が経った。だけど、俺には300年に感じる。亮平のいない時間は、長くて退屈。
保健室にも行かなくなって、電話もメールも来なくなった。
悲しい。
やっぱり、そんなに俺のこと好きじゃなかったのかも…。

「信濃美樹。俺はいつまでお前に付き合えば良いんだ。」

ある日の放課後、誰も教室にいないのを確認して、俺は尋ねた。

「え。いつまでって、美樹が達也を嫌いになるまでかな。」

「お前は俺のドコがそんなに好きだっつんだ?」

俺のずっと抱えていたなぞをやっと聞く瞬間が来た。

「可愛いところ。女の子なみに可愛いのに、中身はメッチャ男なところ。結構いるよ?そうゆう子。順平もそう言ってた。達也が1年の時なんかすごかったらしい。裏ファンクラブとか入ってた人たち、やばいほど、隠し撮りしてたらしいよ。」

「は?裏…?」

気持ち悪りぃ…。
俺の中の女への嫌悪感は半端なくなってきていた。
ああ、もう1度亮平の腕の中へ戻りたい…。
亮平。亮平。亮ちゃん…。

「もう、別れたい。」

「いいの?そんなこと言っちゃって。」

「わかってる。言ってみただけ。ただ、つらい。お前はどうしてこんな事すんだよ。」

「だって、美樹だって達也が欲しいもん。ずるいよ、原田先生専用なんて。」

原田先生…。
俺はこみ上げてくる涙を必死に止めた。
でも、やっぱりとまらなかった。

「…ふっく、…ぐす。もぉ…亮平なんて嫌だ。」

俺は泣きじゃくった。
そんな俺を、美樹が慰める。
もう、誰でも良いや。
亮平以外の奴なんて、みんな同じ。
俺の傷を癒してくれるなら、誰でも良い。

「大丈夫だよ。美樹が慰めてあげる。」

俺はもう、抵抗しなかった。



 「もう、元気?」

「うん。アリガトウ。」

女とヤる2回目のSEX。
なにも感じなかった。
快感も、何も。
女だから?
とりあえず、亮平を感じたい。
俺は、亮平のメールを何度も読み返した。

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