亮平のおもちゃ

 次の日、俺は順平の家の前で、順平の帰りを待った。

「え…。達也。」

あの日のトイレ以来の会話。

「ごめん。俺、ホントは、男に興味無くなったなんて嘘。まぁ…実際、美樹とは付き合ってるし、亮平とは別れちゃったんだ。」

「いや、いいよ。で、どうした?」

「順平…。慰めてよ・・・?」



 ハア、ハア、と順平の熱い吐息。
俺は涙がまったく止まらなかった。
順平となら、亮平に近いものを感じられる気がした。
でも、順平とヤッても、順平しか感じることが出来なかった。

「順平…。順平…。うっ…。俺、辛い。苦し…よ…。」

本当に、もう泣いてない日がない。


 ヤり終わって、帰ろうとしたとき、順平が言った。

「美樹と別れる気は、どうせ無いんだろ?だったら悲しいときまた来いよ。俺、いつでも達也の事なら抱けるから。つーか、美樹じゃなくて俺と付き合って欲しかった。」

「…ん。ごめんね。アリガトウ。」

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