亮平のおもちゃ
「にしても、本当に達也君ってその辺の女の子よりかわいいわよね~。」
「え。…んな事、ないっスよ?」
夜ご飯を順平の家で食べることになって、食べていると、ビールでほろ酔いになった順平のおばさんは、そう言った。
「かわいい」は、男にはほめ言葉じゃない。
「かわいいわよ~。実は順平は惚れちゃってんじゃないの~?」
「ブッ!!」
味噌汁を飲んでいた順平は、漫画のように味噌汁を噴出した。
「あははは。図星?」
「んな、んなわけねぇだろ!!」
テンぱる順平を俺は鼻で笑った。
すると、軽く頬を殴られた。
「…んだ、てめぇ、なにしやがる!」
「あん?やんのか?」
そうして、軽い喧嘩になった。
「でもね、順平の父親、ゲイなのよ?」
「え。」
順平が俺に馬乗りになって、思いっきりはらをくすぐっていると、順平の母ちゃんはそんな事を言い出した。
結局それ以上は聞きづらかったけど、びっくりした。
そして、今に至る。
俺は学校から帰ってくると、ベッドに寝転がった。
また、虚しくなった。
家に1人でいると、涙が止まらない。
順平とヤッてる時よりも、
涙は止まらない。
非通知から電話があったのは、その時だった。
「はい。誰。」
いつもながら冷たくでると、女の声が返ってきた。
「…。相馬…君…?」
「…?そだけど、誰だお前?」
「あ…、新見…。今すぐ…総合…病院…来れる?」
「…なんでっスか?」
「原田先生の…事で…話…あるの。」
俺はスグに総合病院へ行った。
亮平、亮平。会いたい。でも…会えないね。