亮平のおもちゃ
放課後、俺は順平と一緒に病院へ行った。
俺は、亮平の耳元で、亮平の着メロの曲を流した。
意識不明でも、声とかはちゃんと聞こえてるらしいから。
「…とっとと目、覚ませよ原田。」
順平はそう言いながら、亮平の綺麗な顔を、かるく殴った。
次の日も、その次の日も、俺は亮平の病室に足を運んだ。
4日目、俺が病室へ行くと、新見がいた。
「あ。相馬くん…。」
「ども。」
邪魔になると思って、軽く会釈をし、病室を出ようとした。すると、
「ちょっと、まって。」
と、新見に止められた。
「なんスか。」
「話が…あるのよ。」
「はぁ…。」
そう言って俺は、亮平をはさんだ新見の向かい側へ座った。
「一目ぼれだったのよ。原田先生に。…奥手な私だけど、頑張ってお話したら、すごく素敵な方でね。この人をものにしようって、必死だった。」
…だからなんだよ、うぜぇな。と、俺は心の中で舌打ちをする。
「だけどね…」
と、新見は話を続けた。