亮平のおもちゃ

 だけど、私は告白してもフラれたわ。理由はいつも同じだった。

「すみません。俺、恋人いるんで。」

って、その一途さにも惹かれたんだけどね…。
だけど原田先生は、その恋人の話を一切したことが無かった。
だから、まだ付け入る隙はあると思ったわ。
そして7回目の告白。

「どうしても、諦められない。なにがあっても、私じゃダメですか?」

そう聞いたら

「別に良いです。ただ、別れたばかりで、新見先生を利用してしまうかもしれません。」

って、言われたの。
その時の原田先生、すごく辛そうで…。
でも、嬉しかったわ。

 時は少し経って、初めての夜…。
彼は消極的だった。全然なにも感じてないみたいで、私少し辛かった。
デートしてても、抱かれているときでも、原田先生の目は私に向いているけど、心はむいてなかった。

 そんな時、気がついちゃったの。
彼が、誰とお付き合いしていたか。
前々から、相馬君からの痛い目線は感じていた…。私と原田先生が話していると、あきらかに不機嫌そうな顔で睨まれてたから…。
原田先生もそうだったのよ。保健室の窓際で、相馬君と瓜二つの顔で彼は、あなたの隣りに居た信濃さんを睨んでいた。

 だから私は、別れようとした。なのに…、私の親が勝手に結婚の方向へ進めちゃって…。
私は幸せだった。
だけど、彼の心は、いつも相馬君を見ていた…。


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