亮平のおもちゃ

Side:Junpe



 「順平。待ってよ。」

俺のとなりには、小さい頃から彼女の姿があった。

「順平ってば、聞いてるの?待ってよぉ~。」

息を切らす彼女。
俺は、彼女に意地悪をするのが大好きだ。

「早くしろよ。おいていくぞ。」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

彼女の名前は信濃美樹。
俺の幼馴染だ。
家もお隣さんで、母親同士が幼馴染ときてる。
そのせいか、生まれたときから俺と美樹はずっと一緒だ。


 俺の隣に、美樹がいなくなったのは、小学校4年生になった時からだ。
可愛い美樹は、女子から訳のわからない痛い目線を浴びるようになっていた。
「●●君に色目つかうな。」だとか、美樹には身に覚えのない名前が女子からあがってくるそうで、俺は美樹が女子に囲まれているときは、常にたすけていた。

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