亮平のおもちゃ


「おい、木下?」

「んっ?何。」

「馬鹿かおめぇは。これ、違うぞ。」

授業中、俺のノートを見て、急に指をさす。
数学の計算の間違いを指摘された。

「え。」

相馬は、顔も良く、スポーツもでき(部活はいってるやつには負けるけど)、頭も良い。
完璧な奴だった。
その綺麗な顔に女共も惹かれていた。

 相馬は付き合ったり別れたりを繰り返していた。
告られたら、とりあえず付き合う。みたいな。
ただ、それが遊びでしかないのは俺はわかっていたし、そのうち女達もわかって傷ついていた。

「お前は好きな奴いないの?」

「…いるよ。けど、どこに居るかわかんねぇ。」

そう言った相馬はなんだか辛そうだった。


 相馬の好きな奴が誰か分かったのは、2年に進級したときだ。
美樹とも同じクラスになっちゃって、ちょっと落ちていたとき、そんな時に失恋した。
保健養護の教師、原田が俺等の学校に来て、女子がキャーキャー言っていた。
相馬は、泣きそうな顔で、原田を睨んでいた。
着任式が終わって、保健室に向かった相馬に、俺は付いて行った。
その時の会話で、相馬が原田を好きだってわかった。
2度目の失恋。
俺は、原田が嫌いになった。


 達也を犯した。
美樹が勝手に達也に俺の気持ちをバラしたから、その腹癒せに美樹が欲しがっていた達也の初めてを貰うことにした。
俺は、達也のお茶に媚薬をまぜた。
ちなみに、親父の部屋で見つけたものだ。
(なんでそんな物があるんだ?とは、不思議と思わなかった。)
 達也は本当に初めてだった。
嫌がる達也が可愛かった。
俺は、自分が歪んでることに気がつく。
なにかが違う。
確かに達也は好きだ。
抱けば気持ちいい。
でも、何かが違う。


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