亮平のおもちゃ

 達也は、原田を忘れるために、俺を利用した。
達也に利用されて、俺は初めて俺も達也を利用していたと気がつく。

「友達として好き。」

と言ってくれた達也の事が、俺も好きだった。友達として。
俺はズット、達也に憧れていただけだった。
だって俺は…美樹をズット愛していたんだから。


 「美樹、好き。」

「え?何、急に。」

美樹を呼び出して、何気に初めての告白。
美樹は驚いていた。

「俺、小4のときに、美樹に突き放されてから、ズット美樹が好きだったんだ。達也も好きだけど、美樹に対する好きと、達也に対する好きは違うんだ。…付き合ってくれませんか。」

「じゅ、順平…、別に嬉しくなんてないんだから!ずっと、ずっと、美樹も達也好きだったけど、でも…、本当は順平に嫉妬して欲しかったとか…あり得ないんだから!」

「はぁ、そうですか…。」

俺は、はじめて美樹が好きな奴にはツンデレだって知った。


 「順平。」

「うん?」

何気に初デートで遊園地に来ていた俺と美樹。
夕方、観覧車にのろう、といわれて乗った矢先、美樹が俺の名を呼んだ。

「順平…。」

「ん?」

「…好き。」

「う…ん。」

赤面する俺。
なんだか、余裕がない。

「順平は、美樹をずっと好きでいてくれる?」

「ううん。」

「へッ?」

美樹の目に涙が浮かぶ。

「俺は、一生美樹を愛すよ。」

「なっ、なによぉ!美樹だって、愛してやらないこともないよ!」

観覧車の頂上。
ありきたり過ぎるシュチュエーション。
俺は美樹には初めてのキスをした。

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