亮平のおもちゃ
「だから、話さないでって言ったんですよ?」
俺が泣き止み、やっと口を開いたかと思うと、亮平は先生モードになっていた。
「亮平…、知ってたの?」
「まぁ、知ってましたよ。君が僕に話しかけてるとき、カレ、すごい形相で僕の事にらんでましたから。」
亮平はベットの淵に腰掛けた俺の横に腰掛けた。
「ね、先生モードやめない?俺、それ悲しい。」
「相馬君?先生はね、大好きな玩具は、独占したい・苛めたい主義なんですよ。」
「うぅ…。そんな事してたら、俺、亮平嫌いになっちゃうかもよ?」
「いえいえ、相馬君は僕に溺れていきますよ。嫌じゃないんじゃないですか?独占されるの。」
「うん。だから、俺にも、独占させて?」
俺がそう言うと、亮平は意地悪そうに笑っていった。
「でも、もし嫌われたらいやなんで、少し可愛がってあげましょうか?」
「ばーか。」
「それ以外には?」
亮平はベッドのカーテンを閉めながら意地悪に言った。
知ってるくせに、と俺は言った。
「大好き。」
そう、大好きだから。
次の日の朝、俺は順平と仲直りすることにした。
「なんだよ、呼び出して。俺、謝らねぇよ?」
「うん。いいよ、けどさ、また、友達で居てよ。」
「…ばか、そゆトコにときめいちまうんだよ。ま、昨日の達也可愛かったし、いいや。」
「え。友達になるんだよ?分かってるよね?」
「おうよ、ただ、アイツがお前を幸せにできなかったその時は、もらうぜ?」
「大丈夫。俺、亮平が居るだけで幸せなんだ。」
少し間をおいて、順平は叫んだ。
「ばっかやろー!この、悪魔!あっち行け。」
そう言って、順平は笑って部活へ行った。