亮平のおもちゃ

 放課後、いつもの2人きりの保健室。

「早く出ていきなさいね~」

今日も俺の恋人は不機嫌だ。

「なんでだよ?」

俺は火に油を注ぐ。

「喋らないでって、僕、言いましたよね?」

「…んだよ、仲直りだけじゃんか。」

「それがダメなんです。」

「ねぇ、キスして?」

亮平は書類まとめを終わらせながら、不機嫌丸出しの睨み顔で言う。

「ここは学校ですよ?」

「でも、昨日はヤッたじゃん。」

亮平は書類に重りを置いて、僕のほうへ来た。

「それは例外ですよ。」

亮平が僕に顔を近づける。
でも、亮平はキスはしてくれないだろう。
…だから。

チュッ

俺からした。

「なっ…っ!?」

取り乱す亮平。
俺は勝利の笑みで笑った。
亮平は顔が真っ赤だ。
照れてる亮平も可愛い。

「早く出て行きなさい、帰宅部は速やかに帰りなさい!!」





まだまだ俺は亮平の玩具だ。
< 7 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop