星の数だけ
-入学式-
めんどくさいな。
校長の話しのお決まりの長さ。
みんなどうせ聞いてない。
横を見ると口を開けて寝てる男子。
この顔(笑)
「美桜〜。めんどくさいね。」
後ろから聞こえる圭織の声。
「かなり。」
私の小さい声をキャッチしたのか、寝てる男子が行きなり目を覚ました。
「ここどこ!?」
そう言って立ち上がった。
校長はびっくりした顔をして
「君、どうしたんだ?すわりなさい!」
と言った。
「こらぁ、弘之!すわりなさい!馬鹿!」
後ろの保護者席から聞こえる声。
お母さんかな?
顔を赤くして座る弘之くん。
私は思わずクスクス笑ってしまった。
「おい、笑うなよ?」
隣で赤面してる弘之くんがそう言った。
「あっごめん。」
「まぁ、うけ狙えたならいいけど!」
なんだコイツ(笑)
「美桜の笑ってるとこ初めてみたぁ。」
後ろから軽く身を乗り出してくる、圭織。
「こらぁ、そこ!!話をちゃんと聞かんかい!!!」
校長の怒鳴り声。
向けられた指は、私たちを指さしていた。
「君、立ち上がったり話ししたり、なんなんだ?」
「えっ俺っすか!?」
話しをしてたのは私と圭織なのに、巻き込まれてる弘之くん。
結局注目をあびて、入学式は終わった。
教室にもどると隣の席に弘之くんがいた。