星の数だけ


空を見ると眩しいくらいの太陽。


恵斗…。


恵斗がいけなかった高校。


せめて私が三年間通わなきゃ。


ホームルームが終わるとみんなが一斉に教室を出た。


「美桜、また明日ね〜。」


圭織がそう言って私に手をふってきた。


「バイバイ。」


私も手をふり返す。


「じゃーな。」


弘之も私に手をふる。


なぜか、私は苦笑い。


みんないなくなった教室。


「中野、はやく帰れよ〜。」


担任はそれだけ言って教室から出ていった。


私はしばらく教室にいた。


「恵斗、私やっていけるかな?」


恵斗が亡くなったのに私、平気な顔で過ごしていいのかな?


「けいとぉ…。」


思い出すといつも泣いてしまう。


考えないようにしようって思ってても考えてしまう。


一人の時は特にそう。



< 20 / 32 >

この作品をシェア

pagetop