星の数だけ
ガラッ
教室のドアがいきなり開いた。
私は泣き顔を隠すように外を見た。
「何してるんだ?」
誰だろう。
私は涙をふいてドアの方に視線を向けた。
そこに立っていたのは、スーツを着た人。
年は、20代中場。
「…誰ですか?」
私がきくとその人は右を指差して
「隣のクラスの担任!」
「…へぇ。」
私は薄い返事をしてまた外を見た。
「…泣いてたのか?」
「先生に関係ないでしょ?」
外を見たままそう言う。
「関係ないって…、泣いててほっとけねぇよ。」
「先生だからって何でもすぐ、生徒の事情に首突っ込まないで。関係かいんだから。」
先生は私の前の席に座った。
「俺は人の心なんて読めないし、言ってくれなきゃ解らない。けど、言いたくないなら言わなくていいよ。けど言えば楽になることもあるんだぞ?」
恵斗の事を話せば楽になれるの?
「人殺しをしたって?」
先生は少しびっくりした顔をした。
「恵斗は私を許してくれるのかな?私は笑って生きてていいのかな?」
涙が次から次へと落ちてきた。
「話してごらん?」
私はなぜか全て話してしまった。
先生は頷きながら聞いてくれた。
「それはお前のせいじゃないよ。」
先生は私の頭を撫でてそう言った。
「ううん。私のせいなの、私のところに来ようとして…。」
言葉はつまるばかり。
恵斗がそばにいるような気がした。