星の数だけ
「恵斗くんは、美桜が笑ってれば幸せっていったんだろ?なら、笑ってなかったら駄目じゃん。んー…何か上手く言えないなぁ。けど絶対悲しんでる顔なんて見たくないと思うけどな。」
「先生に恵斗の気持ちなんて…解るわけないよ…。」
「俺は恵斗くんじゃないから恵斗くんの気持ちは解らないよ。けど同じ男としてもし俺だったらって考えたらの意見。…もし美桜が逆の立場だったらどうする?悲しんでて欲しい?相手のせいで自分は死んだと思う?」
「私は…笑ってて欲しい…。」
「だろ?恵斗くんも同じじゃない?」
恵斗は笑ってて欲しいの?
「泣かないで笑っててごらん?恵斗くん喜ぶから。」
「うん。」
「本当に納得してんのかぁ?」
「し、してるよっ!」
先生はニッコリ笑って
「ならいいけどな。俺みたいなのに話してくれてありがとな。」
私は首を横にふった。
先生は私の頭にポンッと手をおいた。
「俺今回初めて担任もつんだよ。お前の相談のったら頑張ろうって思ったよ。また、辛いことあったら話してくれよ。話しくらいしか聞いてやれないし、ろくなアドバイスできねぇけど。」
「先生…。」
「ん?」
「ありがとっ…。」
私はうつむきながらお礼を言った。
心のもやもやが少しずつ晴れていった。
「私、恵斗のためにがんばる。」
「そうだな。」
「恵斗は応援してくれるかな?」
「当たり前だろ。」
私は笑った。
「その笑顔恵斗くんにみせてやれ。」
「うん。」
話しきいてもらってよかったな。
「柳先生、会議が始めれません。至急職員室にきてください。」
そんな放送がかかった。
「やっば!会議わすれてた!じゃ、俺行くわっ。あっ、無理だけはすんなよ。」
先生はそれだけ言って行ってしまった。
先生ありがとう。
あの時からかな。
私はいつも先生を目で追ってしまったのは。