星の数だけ


結局私は家に帰ることにした。


「どこにいるのさ。」


枕に顔を埋めて電話をまっていた。


結局電話はくることなく朝を迎えた。


朝イチで恵斗の家に向かった。


ピンポーン


少し待っているとガチャっとドアがあいた。


「けいとっ…のお母さん。」


出てきたのは目をはらしたお母さんだった。


「美桜…ちゃん…。」


「どうしたんですか?
恵斗いますか?」


お母さんの目から涙が落ちた。


「恵斗ね…死んじゃったのよっ…!!!」


頭が真っ白になった。


「嘘だ。恵斗が死ぬわけない。冗談いわないでください!」


「冗談なわけないでしょ!」


お母さんの怒鳴り声で我に返った。


つい前まで笑ってた恵斗が…。


「いや、いや、いやだ。いやだよ…けいと…。」


私の目から大粒の涙が出てきた。


「美桜ちゃん…。」


家の中から目を赤くした恵斗のお父さんが出てきた。


「恵斗に会ってくれないか?」


私はお邪魔しますも言わないでリビングに走った。


隣の和室に眠る人がいた。


白い布を顔にかけて…。


夢でしょ?


私はゆっくり近づいた。


顔にかかってる布をとると眠っているような恵斗がいた。


「恵斗…何してるの?ふざけ過ぎだよ。面白くない冗談やめてよ…目覚まして。ねたふりなんてやめてよっ。恵斗…高校うかったんだよっ?これから沢山デートするんでしょ?お祝いしてくれるんでしょ?
死ぬなんて許さないから。
お願いだから目さましてよ…恵斗ってばっ。いやだよ、おいてかないで、私恵斗しかいないんだよ?特待で高校いくんでしょ?
けいとおおおお!!!!!」


やだよ


おいてかないで


私を1人にしないで


目を覚ましてよ


キスして笑って


冗談だよって言って?






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