★6×6★
15分後……
「出来た―っ!」
やっと荷物を詰め込むのに成功したあたし。
「よし、じゃあ行くか。」
「うん!」
「薬とかちゃんと持ったか?」
「あっ!忘れてた……」
あたしは思い出して机の上にあるポーチを鞄に入れた。
「多いな……」
「うん―。喘息の吸引器とかあるからね―…」
「ちゃんと飲まないと治んないんだからな?」
「はーい…」
「みんな心配してんだから」
「本当かな?」
「なんで?」
「最近思うの。あたしがいなくなっても誰も気にしないんじゃないかって」
「ばーか。考えすぎだよ」
「うん……」
「覚えとけよ?間違いなく悲しむ奴はいるんだからな?」
「本当?」
「うん。妃樺里だろ?伊織に隼人。由梨に優斗に………こいつらは多分立ち直れないな……朱兵と陸駒。」
「鈴将は?……寂しくないの?」
鈴将の目をみて返事を待つ。
「……寂しくないかもな」
「え―…酷い………」
泣きたくなってきた。
「ウソウソ!多分生きていけないくらい寂しい。……だから変なこと考えんな」
「う、うん……ってか遅刻するっ!」
「やべっ!行くぞ!」