★6×6★

思い出した。

あたしは震える声で話す。

次の日お母さんに痣を見せると、少し眉をしかめて

「れおくんかしら…」
と呟いた。

「まりの足大丈夫―?」
心配になってあたしは尋ねた。
「まり自分で足首引っ張った?」

「ううん?なんで─?」

「…なら大丈夫!痛いのが見えないように湿布貼っておこうね―」
お母さんはきっと手形の痣を見て湿布を貼ったんだ。

今だから分かる。

それから痛くなくなっても痣が消えるまで湿布を貼っていた。
しかも自分では替えさせてくれない。
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