★6×6★
連れて来られたのはあの堤防…。
「鈴将……?」
恐る恐る名前を呼んでみた。
「………なんで言わね―の?幼なじみの俺にも」
うわっ!かなり怒ってるよ…
「言えないよ…軽蔑されるだけだし…それに1番近くにいる分余計言えなかった……」
「もう12年の付き合いだそ?!今さら何隠すとかねーじゃん」
「ごめん………」
鈴将が言ってる事はもっともだ。
「いつからそんなに悩んでたんだ?」
「いつからだろ……覚えてないや……」
あたしの手を握って呟いた。
「自分傷つけてまで……お前いろいろ1人で溜め込みすぎなんだよ……気付いてやれなくてごめんな……」
そう言って抱き締められた。
「ごめんね」
あたしはひたすら謝る事しか出来なくて……。
「だから約束なっ?」
しばらくして鈴将が言った。
「ん?」
「もう隠し事なしっ!辛かったり、苦しかったり悲しかったりしたら全部俺に言う事!!わかった?」
「……うん」
あの時から始まってたのかな??
気づかないようにしてたのかな?
この気持ちに本格的に気づくのはもう少し後で……