ちよこれいと!

「じゃ、いくか。」

ふたたび、裕也はうちの手をとって歩き出す。
その、裕也の頬はほんのり赤くて…

「裕也、かわいいッ…」

「なっ!」

バッっと振り返った裕也は、やっぱり顔が赤くなっていて。

「かわいい…」

うちが、小さな声は裕也にも聞こえていたらしく…

「てめっ!生意気くそガキ~」

「いたい、いたい~!ご勘弁を~」

裕也は、うちの頭をゴリゴリしてくる。
まるで、クレヨンしんちゃんのみさえママのように。

これ、けっこういたいよ?


「は、早くいこーよ!ジェットコースター!混んじゃうよ。」
「あぁ、そっか。」

裕也は、ようやく手を離してくれた。
はぁー、頭が裂けるかと思った。あぶね。


「これが、この遊園地の最大ジェットコースターだな!」

これ、乗るんすか!
やばい、これだけはやばい!
だってうちの先輩のりえ先輩が乗って1週間くらい寝込んだって…

うちらの、目の前にあるジェットコースターは都内でも第5位以内に入るんだよ!

「裕也…まじ?」

「何だ?びびってるのか?」
裕也は、ニヤッと笑う。
むっか――――!!

「乗ります、乗れますよ?こんな、子供ぽいの。」

「じゃあ、行こうか。」

……うちって、バカだ。
まあ、しょーがない!
うちばっかり、楽しんでちゃだめだ!
よし!頑張ろう!


「次の方、お乗りくださーい。」

「え!」

ちょっと待って!
頑張るって決めたけどッ!
言ったけどさッ!

「一番前で、よかったよな。スリル倍増する!」
< 6 / 168 >

この作品をシェア

pagetop