ちよこれいと!
「じゃ、いくか。」
ふたたび、裕也はうちの手をとって歩き出す。
その、裕也の頬はほんのり赤くて…
「裕也、かわいいッ…」
「なっ!」
バッっと振り返った裕也は、やっぱり顔が赤くなっていて。
「かわいい…」
うちが、小さな声は裕也にも聞こえていたらしく…
「てめっ!生意気くそガキ~」
「いたい、いたい~!ご勘弁を~」
裕也は、うちの頭をゴリゴリしてくる。
まるで、クレヨンしんちゃんのみさえママのように。
これ、けっこういたいよ?
「は、早くいこーよ!ジェットコースター!混んじゃうよ。」
「あぁ、そっか。」
裕也は、ようやく手を離してくれた。
はぁー、頭が裂けるかと思った。あぶね。
「これが、この遊園地の最大ジェットコースターだな!」
これ、乗るんすか!
やばい、これだけはやばい!
だってうちの先輩のりえ先輩が乗って1週間くらい寝込んだって…
うちらの、目の前にあるジェットコースターは都内でも第5位以内に入るんだよ!
「裕也…まじ?」
「何だ?びびってるのか?」
裕也は、ニヤッと笑う。
むっか――――!!
「乗ります、乗れますよ?こんな、子供ぽいの。」
「じゃあ、行こうか。」
……うちって、バカだ。
まあ、しょーがない!
うちばっかり、楽しんでちゃだめだ!
よし!頑張ろう!
「次の方、お乗りくださーい。」
「え!」
ちょっと待って!
頑張るって決めたけどッ!
言ったけどさッ!
「一番前で、よかったよな。スリル倍増する!」