ちよこれいと!


「すいませんが、この子に手を触れないでいただけますか?」

いつもならしない、そんな顔をしている。
女の人を睨み付け、言葉は優しいが声色が低すぎる。

竹内さんのただならぬ気配を感じたのか、女の人たちはどこかへ行ってしまった。


「竹内さん!かっこいい!」

うちは目を輝かせながら、竹内さんを見た。

「想像以上に今回は俺の勘が働いたようだ…」

竹内さんは額に手をあて、困った顔をした。


「勘って?」

「やっぱり、君にはアイドルの素質があるってこと。」


そう言って、竹内さんは歩き出した。
うちには、よくわからなかった。


< 70 / 168 >

この作品をシェア

pagetop