ちよこれいと!
「すいませんが、この子に手を触れないでいただけますか?」
いつもならしない、そんな顔をしている。
女の人を睨み付け、言葉は優しいが声色が低すぎる。
竹内さんのただならぬ気配を感じたのか、女の人たちはどこかへ行ってしまった。
「竹内さん!かっこいい!」
うちは目を輝かせながら、竹内さんを見た。
「想像以上に今回は俺の勘が働いたようだ…」
竹内さんは額に手をあて、困った顔をした。
「勘って?」
「やっぱり、君にはアイドルの素質があるってこと。」
そう言って、竹内さんは歩き出した。
うちには、よくわからなかった。