ちよこれいと!
「裕也、ごめんね。」
「いいから、いいから!早く、スッキリしてこい!」
「うん…」
裕也は、ちょっと心配そうに…笑いながら手を振ってくれてる。やっぱり、裕也はやさしいと思う。
吐かなかったものの、ちょっとだけ気持ち悪さはなくなった。
トイレからでて、辺りを見回し裕也を探したが見つからない。
「…裕也?どこ?」
今、遊園地のどこにいるかも分からない。遊園地の地図が載っているパンフレットは裕也に預けてあった。
「どうしよ…」
急に、不安になったうちは泣きそうになっていた。
いつもは強がっているけれど、本当は本来の自分を隠しているだけ…
本当は、弱いところしかないダメ人間だ。
「――ッ」
目から、溢れだした不安が止まらない。こんなの、幼稚園児みたいだ。
「…何?お前…泣いてんの?」
しゃがみこんでいるうちの目の前に、誰かの足が見えた。
声からして、裕也ではない。
そっと顔をあげると、うちと同じ年くらいの男の子が立っていた。
「どうしたん?」
男の子は、うちの目の前にしゃがみこみ目線を同じにしてくる。
近くで、見ると整った顔をしていてかっこいい。
髪は、少し伸びていて黒髪。目は、カラコンをしているのか青い。