ちよこれいと!

じっと見つめてしまっていた。

「大丈夫?」

声をかけられてハッとする。

「すいません!迷惑かけちゃって…」

男の子は、うちが大丈夫なのが分かったようで顔がちょっと緩んだようだ。

「よかった…」

そう言って、立ち上がるとうちの腕を掴み引っ張って立ち上がらせる。

「じゃあ、俺急ぎの用事あるんだけど行っても平気?」

「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございました。」

「んじゃ、いくね。バイバイ。」

よっぽど急いでたのか、走っていってしまった。

すごくやさしい人だったなあ。
たった、数分の出来事だけど心の中の不安は消えたみたいだった。

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