ちよこれいと!


翔も茂人も目を見開いていた。
竹内さんだけは「あーらら。」と笑いながら困った顔をしている。

そう。雄大はとてつもない格好をしていた。
髪はボサボサでクマは出来てるわ、服はよれよれだわ、バックはチャックが開いていて今にも中身が落ちそうだ。


なんだかホームレスのおっさんみたい…

「プッ!」

思わず吹き出すと、雄大がこっちを睨んできたのですいませーん。と小さい声で謝った。


「とりあえず、雄大はセットしてきて。」

「はい。」

竹内さんに言われ、のそのそと部屋を出ていく雄大。
足フラフラしてるけど大丈夫なんだろうか?

心配して雄大を見ていると、翔が近寄ってきて耳打ちをした。

「あいつ、大丈夫やろか?前も、ああやってホームレスのおっさんみたいな格好で来たんだ。」

眉をしかめている翔にたいして、ホームレスのおっさんという言葉にまた吹き出してしまう。

「ホ、ホームレスのおっさん…って…」

笑いをこらえながら言うと、「やっぱ見えるよな。」とか翔も言ってきて二人で大笑いした。

なんだか、翔とは笑ってばっかりで気が合う。
こんなに、楽しいことはないだろう。



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