七つの星の落し物
プロローグ
ナイト・スクールからの帰り道、リゲルはいつものように小さな商店街を歩いていた。

道の両脇の街路樹には、シャンパンゴールドに輝くイルミネーションがキラキラと瞬いている。

(寒いな・・・)

リゲルは、思わず肩に力を入れる。

PM9:00.

灯りの点いている店は見当たらない。

小さな商店街だから夜は早く店じまいをしてしまう。

まして、今日はクリスマス・イヴだ。

こんな時間に開いている店なんかあるはずもない・・・。

リゲルは、しんとした石畳の通りをとぼとぼと歩く。


クリスマス・イヴの夜はいつも一人だ。

リゲルの父は、リゲルが物心ついた頃から、家にはいない。

「仕事で海外を飛び廻っているのよ。」と母は言う。

時々手紙が来るけれど、何をしているかは未だにわからない。
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