七つの星の落し物
リゲルの顔がますますこわばっていく。


「でも・・・僕、もう帰らなきゃ・・・」


「そんなに、図形や文法の問題が解きたいのかい?」


「え? いえ・・・、そんな訳じゃ・・・」


「大丈夫だよ。 お母さんにはちゃんと言ってある。
君が、星より勉強の方が好きだったら話は別だけど・・・?」


「僕、勉強はそんなに好きじゃありません。」


「うんうん。 そうか。
今日はクリスマス・イヴだ!
少しは面白い事があってもいいんじゃないかな?」


そう言われて、リゲルは思い出した。

(そうだ。今日はクリスマス・イヴだ。
家に帰っても誰もいやしない。
また・・・いつものクリスマス・プディングが待ってるだけだ・・・)


リゲルは、男の方を真っ直ぐに見て言った。

「えと・・・何を・・・したらいいんですか?」
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