七つの星の落し物
「あ、あぁ・・・」
リゲルはまだ少し困った顔をしている。
「僕は、年に一度、クリスマス・イヴの日に、ここへ送られてきた落し物を、「星の落し物盤」を頼りに、落とし主の星へ届ける仕事をしているんだよ。
でも、昨日一年ぶりにこの煙突の掃除をしていたら、足を滑らせて落っこちてしまってね・・・あはははは。
それでごらんの通りの有様になってしまった。」
男は頭をぽりぽりとかいている。
「そ・・・それで・・・?」
リゲルは恐る恐る訊ねてみる。
「君に、僕の代わりをして欲しいんだよ!」
「無理です!」
リゲルは間髪を入れずに答えた。
「大体、僕はその星の位置だって、名前だって、落としたモノだって知らないのに・・・、あ、あなたの代わりなんか出来る訳ないじゃないですか!!」
「いやいや、大丈夫 大丈夫。
君は、さっき星が好きだって言ったろ?
それが、大事なんだ!」