七つの星の落し物
「うわわ!」
リゲルは跳ね返った水しぶきを浴びてびしょびしょになる。

(レインコートが必要だな…)

リゲルはもう一度、ドラゴンを見る。

(歌を唄わなくなったドラゴン・・・か・・・)

ビッチャン!

「うわ!」

また、涙が音をたてる。

「・・・あ! そうだ。」

リゲルはそう小さくつぶやくと、手のひらで水溜りを叩いてみた。

ピッチャン、 ピチャピチャ、 ピッチャンチャン ♪
ピッチャン、 ピチャピチャ、 ピッチャンチャン ♪

その途端、
フンッ!!  と、ドラゴンは大きな鼻息を出し、その大きな目を開けた。

湖の底みたいに透き通った碧色の瞳は、キラキラと輝いている。

「あはは! やっぱり!!
コイツ、音が大好きなんだ!」

リゲルは嬉しそうに笑うと、大きな声で言った。


「アル、戻るよ!」


「了解!」


シャラ―――ン!


< 39 / 78 >

この作品をシェア

pagetop