七つの星の落し物
(すごい・・・。 全部ピッカピカだ・・・。)

そこは、全てのモノが磨かれてピカピカだった。

球形の建物、街灯、サイン、植物に至るまで、鏡のように周りのものを映しこみ、そして、それを反射していた。


(僕が沢山いるみたい・・・)

リゲルの周りの建物やモノ、全てにリゲルの姿が映っている。

(これじゃあ、方角もわからないな・・・)

ゴチッ!

「痛タッ!!」

鏡の反射で、遠近感覚さえ分からない。

リゲルは、近くの壁に右手を当てながら、そろそろと歩き始める。

(迷路に入ってしまった時はこうすればいいって、昔パパから聞いたことがある・・・)


しばらく進むと、壁の切れ目に出た。


(あれ? ここは・・・)

そこには、岩石が割れたような大きな亀裂があり、その間には石の階段が出来ていた。
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