七つの星の落し物
ビュォ――――!!
(うッ!すごい…風だ…)
リゲルは、思わず赤銅色の砂の上にうずくまる。
目の前には赤い砂が吹き荒れ、1m先も見えない。
(これじゃ、身動きがとれないよ…)
リゲルは取りあえず砂に埋まっている足を地面に付ける。
「うわわ!」
その途端、リゲルの体は風に押されてスルスルと走り出した。
(だから、この靴か! 良かった! スノボは得意だ。)
リゲルは右へ左へと蛇行しながら赤い砂漠を走り抜ける。
どの位経っただろう。
リゲルの足がガクガクしてきた頃、目の前に大きなモノが立ちはだかった。
「うわぁぁぁーー!」
ズボボボボ!!
何かに埋まったと思った瞬間、視界がスッと開けた。
(風が…止んだ…)