七つの星の落し物

20mは登っただろうか。
リゲルが段差に腰を下ろして息を付いていると、突然、老人のような、しわがれた声が聞こえてきた。


「無いんだよ…。 いくら探しても見つからない…。」


(え?誰か 話しかけてるの?)


「僕が、見えるの?」


「見えるさ。
ワシはもう何百年もこの砂漠で探し物をしてきたんだよ。
見えないモノなんか何も無いさ。」


「あなたはもしかして、この木…ですか?」


「そうさ。」


「あなたは…何を探しているんですか?」


「生き物さ。ワシ以外の生き物。
毎日こうして砂のひと粒ひと粒まで、探して、探して…探しているのに、まだ見つからないんだよ。
そしてワシも…そろそろ寿命のようだ…」

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