七つの星の落し物
「ははは・・・。
さすがにお前も、もうお腹がいっぱいになったんだな。」
老人は悲しそうにつぶやく。
「やっぱり・・・、私が間違っていたんだ・・・。」
アンドロイドは困った顔をして、またジュラルミンのケースを抱えて出ていこうとする。
「R-W、もういいんだ。
もう、夢はいらない。
私は、この星をどの星よりも優れたものにしたかった。
その為には、夢みたいな甘いモノは無くす必要があると思ったんだ。
だから、人々の夢を取り上げて、全部コイツに食べさせていた。
でも、それは間違っていた・・・。
人は、夢を無くしたら、ただの機械になってしまう・・・。
機械に、未来は造れないんだ。」
アンドロイドは悲しそうな顔をして、老人を見つめる。
「いや・・・、悪かったな。
そうじゃない。
お前は何も悪くないよ。
悪いのは・・・、私だ。」