七つの星の落し物
リゲルは、頭を抱えた。
(夢・・・か。
夢を取り戻すには、どうしたらいいんだろう。)
リゲルは、建物を出て通りを歩く。
工場からは、相変わらず大きな音が響いてくる。
リゲルは、ふと思い立って工場の丸い窓ガラスから中をのぞいてみた。
工場の中には、表情の無い機械のような人たちが一心腐乱に働いている。
男も、女も、大人も、子供も・・・。
(機械は・・・夢を見ない。
彼らは、もう夢を見ることは出来ないのか・・・?
人間なのに・・・?
僕は・・・どうだろう・・・。)
リゲルは考える。
(夜、寝るときに見る夢。 将来こうなればいいなぁと思う時の夢。
形はそれぞれ違うけど・・・、同じ事がひとつある。
それは、僕じゃなくちゃ見られないってことだ。
僕の夢は、アルには見られないし、アルの夢は僕には見られない・・・。