七つの星の落し物
「ええ! 好きですよ。
小さい頃に、父が星の図鑑をプレゼントしてくれたんです。

父は仕事であまり家に帰ってこないから、父が帰ってくるまでに、星の名前を沢山覚えて父をびっくりさせようと思って・・・

それで、母と一緒に覚えたんです。
星の名前とか・・・大きさとか・・・色々。

でも、父はもう、帰って来なくなっちゃって・・・」

リゲルはうつむき、その声は段々小さくなっていく。


「あ、あぁぁ・・・と、それで・・・だ。 リゲルくん。」


慌てて男は軽く咳払いをしながら、リゲルの方を見やった。


「はい?」

リゲルは、天球儀から男へと視線を移した。


「そんな星好きな君に、ぜひとも頼みたいことがあるんだが・・・。」


「た、頼みたい事・・・ですか?」

リゲルの顔が少しこわばる。


「あ、難しいことじゃないんだ。
本当だよ。
きっと、君ならちゃんと出来ると思う。」
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