【COLORS②】スイカに恋したい
「ラッキー、一番後ろの席だ!」
席は最初、出席番号順で座るのが通例である。
後ろを好む私としては、『涼風』という苗字はひじょーにありがたい。
なぜなら、たいてい場合『す』というのは八割がた後ろ席が回ってくるからだ。
海は前から二番目か、可哀相に──
「先生〜黒板の字が読めません」
ホームルームが始まったっ同時に声を上げる、一人の男子生徒。
しかも、私のすぐ右側の席(真横)じゃん!
「誰か前の席で目のいいやつ、代わってやってくれないな」
「はい。俺、目いいんで代わります」
「悪いな、市瀬」
どうやら神様はどうしても私たちを引き付けたいらしい。
「俺たち気が合うのかな」
「さぁ……ね」
海とはクラス一緒、席も 隣同士。
これは偶然なのか、
それとも──
とにかくこれ以上は何も起きずに平和な一日を終えることができるよう、私は必至で祈るしかなかった。
席は最初、出席番号順で座るのが通例である。
後ろを好む私としては、『涼風』という苗字はひじょーにありがたい。
なぜなら、たいてい場合『す』というのは八割がた後ろ席が回ってくるからだ。
海は前から二番目か、可哀相に──
「先生〜黒板の字が読めません」
ホームルームが始まったっ同時に声を上げる、一人の男子生徒。
しかも、私のすぐ右側の席(真横)じゃん!
「誰か前の席で目のいいやつ、代わってやってくれないな」
「はい。俺、目いいんで代わります」
「悪いな、市瀬」
どうやら神様はどうしても私たちを引き付けたいらしい。
「俺たち気が合うのかな」
「さぁ……ね」
海とはクラス一緒、席も 隣同士。
これは偶然なのか、
それとも──
とにかくこれ以上は何も起きずに平和な一日を終えることができるよう、私は必至で祈るしかなかった。