【COLORS②】スイカに恋したい
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「はぁぁ……」
帰り道。これがため息をつかずにいられるだろうか。
『私は演劇部の部長をやってる早乙女春菜(さおとめはるな)、こっちは部員の柳凜子、よろしくね!あなたに私たち演劇部の舞台に『男役』として出てほしいの!明日また詳しい話をしましょう!放課後、部室で待ってるわ』
一方的だ、一方的すぎる……しかし、逆らうことができなかった。
「世界が終わったような顔しやがって……たかが演劇に出演するくらいで大袈裟だっての」
海は私のことを慰めてくれているらしい。
「たかが演劇……ね。海には分からないわよ!『女』の私が『男』を演じなければならない心の苦しみなんて!」
ここで彼を責めても意味がない。
そんなことは百も承知だ。
「……ごめん」
「高校生になったら女の子らしく過ごせると思ったんだけどな、やっぱり無理みたい」
こんなことで断念したくなかった。だけど、部長に反発できるとは思えないし、今日のこともきっとみんなに広まる。だったら一層のこと……
「──なつ、俺も出るよ」
「!!?」
「実はさっきあの部長さんにこっそり言われたんだ、『あなたも女役でどう?』って!一緒にやろうぜ!演劇!!」
私の一言で海にそう決断させてしまったのなら、今更、『出演したくない』とは言えなくなっていた。
「はぁぁ……」
帰り道。これがため息をつかずにいられるだろうか。
『私は演劇部の部長をやってる早乙女春菜(さおとめはるな)、こっちは部員の柳凜子、よろしくね!あなたに私たち演劇部の舞台に『男役』として出てほしいの!明日また詳しい話をしましょう!放課後、部室で待ってるわ』
一方的だ、一方的すぎる……しかし、逆らうことができなかった。
「世界が終わったような顔しやがって……たかが演劇に出演するくらいで大袈裟だっての」
海は私のことを慰めてくれているらしい。
「たかが演劇……ね。海には分からないわよ!『女』の私が『男』を演じなければならない心の苦しみなんて!」
ここで彼を責めても意味がない。
そんなことは百も承知だ。
「……ごめん」
「高校生になったら女の子らしく過ごせると思ったんだけどな、やっぱり無理みたい」
こんなことで断念したくなかった。だけど、部長に反発できるとは思えないし、今日のこともきっとみんなに広まる。だったら一層のこと……
「──なつ、俺も出るよ」
「!!?」
「実はさっきあの部長さんにこっそり言われたんだ、『あなたも女役でどう?』って!一緒にやろうぜ!演劇!!」
私の一言で海にそう決断させてしまったのなら、今更、『出演したくない』とは言えなくなっていた。