【COLORS②】スイカに恋したい
「な、なにコレ」
ドサバサ……ッッ
これは夢ではない。
翌朝、学校に着いて靴箱を開けて目に映る光景。
昔にこれと同じ状況があったことを思い出した。
「はははっ〜すげぇ数の手紙だな、いやラブレターか?」
お気楽に私を笑う、海。他人事だと思ってぇ!
しかし何故、こんなことに──
昨日のアレを知っているのは私と海と演劇部のあの二人と三人の男子だけのハズ。
「まさかっ!!」
床に散乱した手紙をカバンの中に無造作に詰めると、私はある場所を目指して走った。
「やっ、やっぱり」
そこはたくさんの生徒が群がっていた。確か昨日までは何も貼られていなかった校内の掲示板。
『号外!華麗に舞う少女!一年A組 涼風なつ』
デカデカと踊る活字。昨日のあの模様が赤裸々に綴られている。あの場に新聞部はいなかった。
ってことは──
「あの写真、なかなかよく撮れてると思わない?我ながら感心しちゃうわ」
その声は、
「早乙女先輩っ!」
この人いつから私の後ろに居たんだ?
「はろ〜ぅ!なっちゃん!」
なっなっちゃん……!?
やけに馴れ馴れしくないか?
「せんぱぁぁい!!私のこと新聞部に売りましたねぇ!」
「バレた?いや〜ぁ、前からネタが無い無いってうるさかったんでな、情報提供ってやつだ。安心しろ、今回の報酬は『あたり棒』ではないぞ!」
「……」
別にえばるほどのことじゃないと思うのだが。
「なぁんと!『金のエンゼル』なのだ!どうだ!レアだろ〜ぅ!!これでおもちゃのかんづめをゲットできるんだぞ」
「この人のテンションについていけない」
キンコーン、カーンコーン……
始業のチャイムは私たちに席に着けと鳴り響いていた。