【COLORS②】スイカに恋したい
---------------
大会の結果はと言うと、優秀賞を獲得することができた。
これで演劇部、廃部の危機は免れたわけであるが、私にはまだ一つ解決すべき問題が残っていた。
「ごめん」
帰り道だった。
家が同じ方向の私たちは途中まで先輩たちと電車に乗り、そして別れて二人っきりになった。
「なんで謝るのよ」
私の頭の中では海のあの台詞が甦る。
あんなこと言われて、気まずくないわけがない。
「お前がずっと怒ってるから──俺のこと嫌いなら……」
「私も海のこと好きよ」
今まで怒っていたことも、忘れさせてくれるような綺麗な夕日。とてもキラキラしてる。
「……」
「海が居たから頑張れたの。私の方こそさっきはごめんね」
「……なつ」
きっと私たちは極上に甘い『スイカ』に、
間違いない――
END