【COLORS②】スイカに恋したい
「おはよう、なっちゃん」
「……」
朝起きて一番最初に会う同級生が海だ。
一つ屋根の下で暮らしていれば当然の摂理である。
「あのさ、その『なっちゃん』っての止めてくんない?」
今日から高校生になるってのに『ちゃん付け』はさすがに恥ずかしい。
まぁ、同性の友達ならともかく、異性となると──
「……じゃあ、『なつ』。俺のことも『うみ』でいいから」
いきなり呼び捨て?
『ちゃん』よりはマシか。
「はいはい、了解しました」
朝のなにげない会話。
変に気を使わなくていいので、海が『男』であることはある意味よかったのかも。
最初は十年間の自分が否定されたみたいでイヤだったけどね。
「二人ともそろそろ学校行かないと」
渚おばさんは時計を見ながら言った。確かに時刻は八時を示している。
入学式は八時半からだ。急がねばっ!
「なつ、行くぞ!」
「あ、ちょっと待って!」
私はリビングに飾ってある鏡で身嗜みの最終チェックをする。
今日から女の子生活の第一歩が始まる!
絶対に『男』なんて呼ばせない!
そう心に誓った。
「……」
朝起きて一番最初に会う同級生が海だ。
一つ屋根の下で暮らしていれば当然の摂理である。
「あのさ、その『なっちゃん』っての止めてくんない?」
今日から高校生になるってのに『ちゃん付け』はさすがに恥ずかしい。
まぁ、同性の友達ならともかく、異性となると──
「……じゃあ、『なつ』。俺のことも『うみ』でいいから」
いきなり呼び捨て?
『ちゃん』よりはマシか。
「はいはい、了解しました」
朝のなにげない会話。
変に気を使わなくていいので、海が『男』であることはある意味よかったのかも。
最初は十年間の自分が否定されたみたいでイヤだったけどね。
「二人ともそろそろ学校行かないと」
渚おばさんは時計を見ながら言った。確かに時刻は八時を示している。
入学式は八時半からだ。急がねばっ!
「なつ、行くぞ!」
「あ、ちょっと待って!」
私はリビングに飾ってある鏡で身嗜みの最終チェックをする。
今日から女の子生活の第一歩が始まる!
絶対に『男』なんて呼ばせない!
そう心に誓った。