短編■ 偉大に冒涜
プロローグ
最近モテたいのか知らないが、
男友達がやたら上座下座を気にするようになった。
ファーストフード店、ファミレス、
座る度に「上座へどうぞ」なんて笑いながら言う。
――その度に静江は苛々した。
《席なんて座りたいとこに座れば良いじゃない》と。
男と女で別ける感じが堪らなく面倒で―――
高校一年生。
静江は世間の一般論には反対派だった。
きっかけは―――
「敬語も知らないのか!!まともに日本語も話せないのか!!」
――と、確か今年の春にバイト先のファミレスで、
年配のお客様に注意されたことだ。