短編■ 偉大に冒涜
《こんなのって非常識だわ!》
そんな訳で静江は幸せの空間で、憤りを感じていたのである。
彼女たちに怒鳴りたくて仕方がなかった。
静江だって世間の常識やルールなんて知らない。
同レベルだと言っていいくらいに、マナーを知らないから、
彼女たちを責める資格は自分にはないのかもしれない。
しかし、結婚式。
知らないからこそ、母に身支度を任せた。
それでも不安だったので冠婚葬祭の本を買って読んだのだ。
“きちんと”姉を祝ってあげたかったから―――
泣きたくて仕方なかった。
なぜなら――