短編■ 偉大に冒涜
芳江の友人のように常識を無視していると、周りの人の気分を害するのだ。
一般常識を身につけて居れば、誰も不快な気分になることなく、
何事もスムーズに済むのである。
静江は反省した。
敬語だって、…そうなのだろう。
相手を不快にさせない話し方のルールなのだろう。
あの時気づけなかった自分を恥じた。
そして上座や下座。
ずっと意味が分からないと思っていた。
上座に上司、下座に新米。いつも同じ席順でつまらないと思っていた。
まだ高校生だから本来の意味はよく分からないけれど、
―――少し分かる。
「どうするどうする」と席決めにグダグダせずに、スムーズに座ることが出来るし、
お店屋さんも一目で誰を最優先させるか分かるのだ。
皆が楽しくあるために必要なことが常識なのだろう。