短編■ 偉大に冒涜
昔からある常識は古いから、知らなくていいと思っていた。
むしろ新しく自分たちの世代で変えて行くのだと思っていた。
いつまでも昔を誇示して、馬鹿みたいだと。
堅苦しくてややこしいマナーなんて、厄介だと。
《一般常識って大切なんだな》
たくさんの人がいるから、
たくさんの感じ方がある。
快・不快のレベルなんて皆違う。
だから常識やマナーが必要なのだ。
皆が幸せに暮らすには、一般常識がだいたいを支えてくれているのだろう。
静江はそう思った。