短編■ 偉大に冒涜
昔があるから今がある?
今日は静江の姉、芳江の結婚式だ。
格式ある教会―――
招待客は50人くらい。
皆、新郎新婦の入場を今か今かと待っていた。
芳江の招待客は、小中高短大の友人が15人、
職場の知人3人、残りは親戚や静江たち家族。
静江は憤慨した。
いや、怒りを通り越して悲しくなっていた。
主役の証、真っ白なウエディングドレスを着て入場してきた姉が、
気の毒でならなかった。
《最低!!最低!お姉ちゃんが可哀相だよ!!》
姉25歳、芳江の友人たちは同じく25歳―――
社会人や一児の母。
立派に成人した友人たちだが―――