SMOKE&CANDY《短》
翻弄され続けた私は当然のように酸欠状態におちいって、必然的に意識を失いそうになった。
だけどいっそのこと、意識を失ったほうが楽かもなんて甘えたことを頭の片隅で考えていたとき、左胸に違和感が走る。
いつのまにか閉じていた瞼を開いても、目に映るのは焦点の合わない來貴の顔。
來貴の舌と唇によっていまも翻弄され続けている私は、その違和感を持っている部分を見ることは出来ないけれど。
何をされているのかくらいはわかる。
來貴の右手が私の胸を触っているのだ。
しかもセーラー服の中に手を突っ込んで。
これはさすがにまずい。
ほんの少し。ほんの少しだけこの唇を離すのが惜しかったけれど。
私は拘束されていない左手で、セーラー服の中を了承も遠慮もなく探りまわる來貴の右腕を、思いっきり抓ってやった。